今回登ってきたのは、北八ヶ岳にある北横岳。
ロープウェイで簡単に標高が稼げるため、冬登山の入門の山として、また樹氷に雪が多く積もって「スノーモンスター」と呼ばれる真冬にしか出会えない景色が広がることでも有名です。
当日までの温かさの所に強い風が吹くという悪条件でスノーモンスターには会えませんでしたが、ブログ主的はこのような悪条件で色々と試すことができて、来年の冬山に備えることができそうです。
ということで今回は、冬の北横岳〜三ツ岳〜雨池山をぐるっと1周するお手軽雪山登山を楽しんできた様子をチラッとご紹介。
北横岳の登山プラン
北八ヶ岳ロープウェイから、北横岳〜三ツ岳〜雨池山を時計回りで縦走
今回は、八ヶ岳ロープウェイの山頂駅から北横岳、三ツ岳、雨池山の順番で1周するプランです。コース的には距離も短くて無雪期なら岩場以外はそれほど難しくないコースだと思います。
三ツ岳の岩場に雪が被った登山道に要注意!
厳冬期の北八ヶ岳。当然アイゼンは必要なのですが、三ツ岳付近では岩場と雪道の混ざった場所があり、岩のためにアイゼンが滑りやすい場所もありました。さらに岩と岩の間に雪が積もっているのですが、まるでクレバスのように穴が待ち受けているような所もありました。岩のマーキングを見逃さないよう、そして足元1歩1歩確実に行きましょう。
踏み跡が風雪でわからなくなる
また強い風が吹き付ける登山道では、踏み跡が風雪のために大変分かりにくい場所が沢山ありました。地図も大切ですがGPSとモバイルバッテリーを必ず持っていった方が良いと思います。
北横岳〜三ツ岳〜雨池山のコースタイム
今回が初めての北横岳で、真冬なので標準コースタイム+30分。
出発地 | 行程 | 想定コースタイム |
北八ヶ岳ロープウェイ | 北横岳~三岳~雨池山~雨池峠~北八ヶ岳ロープウェイ | 4時間30分 |
休憩込みで4時間半の予定を立てました。
北八ヶ岳ロープウェイの駐車場とマップコード
北八ヶ岳ロープウェイの名前でも検索できると思いますが、北八ヶ岳ロープウェイの情報といつものマップコードも貼っておきますね。
【住所】〒391-0301 長野県茅野市北山4035-2541
TEL.0266-67-2009
- マップコード 218 831 706*81
ロープウェイの団体割引チケットはコンビニ端末で!
各コンビニにあるチケット端末で、北八ヶ岳ロープウェイの割引チケットを購入できます。個人でも団体割引の値段で乗車できるので、少しだけですがお得ですよ。詳しくはJTBレジャーチケット画面を御覧くださいませ。
おはようございます。北八ヶ岳ロープウェイの山麓駅にやってきました。始発ロープウェイを狙いで早く到着したかったブログ主。このエリアも名古屋からなら3時間余りで到着できるのは本当にありがたい♪
上記の通り、事前にコンビニの端末で割引チケットを購入済。なので窓口でこのチケットに交換してもらうだけでなので、窓口でもスムーズですし、少人数でも団体価格で乗ることができますよ。ちなみにブログ主は中央自動車道の駒ヶ岳サービスエリアのファミマ端末で当日の朝に購入しました。
当日は気温が-11℃、風も14m/sという気象条件。つまり体感温度的には-25℃ (;゚Д゚)
当日は風が強いというのは承知で来たけど、体感温度-25℃というのは初めての気象条件。
大丈夫かなとは思いつつ、気分はウッキウキ(^_^;)
ロープウェイの車窓(?)から車山や、
蓼科山を愛でながら、
北八ヶ岳ロープウェイはわずか8分ほどで山頂駅に到着。
山頂駅と山麓駅とでは標高差およそ500mほどしかないのですが、風が強くてとても冷たい!
山頂駅すぐの「坪庭」の標高が2,240mで、北横岳の標高は2,480m。標高差わずか240mしかないのですが、
北八ヶ岳ロープウェイの山麓駅から坪庭の標高差500mで冷たさというか厳しさが全く違うというのに、ここから標高をさらに上げるということ。また北横岳山頂は風を遮るものは全くありません。
写真ではわかりにくいですが、坪庭の時点で強い風が吹き、地吹雪っぽい時もあったり。
やっぱり厳冬期2,000mオーバーの世界は舐めてかかったら痛い目に合いそうです。
準備を整えて山頂駅を9時に出発!雪面は程よく固まっていてアイゼンがとても良く効きます。
しかし強い風が踏み跡を吹き飛ばしてしまい、何となくぼーっと歩いていると道を踏み外してしまいそうです。
そんな強風の坪庭を抜けて、北横岳の樹林帯へ入っていきます。このあたりは山体や森に風が遮られて、逆に暑くなる。
そして三ツ岳分岐に到着。北横岳に行ってきたら、ここを三ツ岳・雨池峠方面へ向かう予定です。
ここらへんに雪があったら「スノーモンスター」状態なんでしょけど、まぁ仕方ない(^_^;)
そんな林の中を進むと建物が見えてきました。
おぉ、ネットでよく見るぞ北横岳ヒュッテ。ここでさらに寒さ対策をして先へ進みます。
はい、ブログでもそう仰ってましたね。
ここから先は、やや急登になります。
このあたりまで風が遮られているので歩いている間は温かいのですが、こういう霜が育っているのを見ると厳しい気象条件なんだなぁって認識できる。
そして木々が無くなってくる辺りになると、それはもうもの凄い強風!
吹き飛ばされそうになりながら北横岳(南峰)の山頂に到着!
まずは儀式は済ませとく。
お向かいにはプリンみたいな蓼科山。
それにしても極寒とはこの事か!というほど風が強くて、顔に雪が当たって痛い(^_^;)
ということで、北横岳の北峰へは行くのはやめて、三ツ岳へむかいます。
北横岳ヒュッテを通過して、
先程の三ツ岳分岐、ここを三ツ岳・雨池峠方面へ向かいます。
この看板、全然脅しではなかったです。軽装で進むのはやめましょう!
ここから先は、この日一番乗りだった事と強風のためにステップが雪で埋まっているところが所々にあり、油断しているとあっという間に道迷います。
そして三ツ岳Ⅲ峰の麓くらいまでくると、
登山道は岩と雪(氷)の混ざった道になります。
こういう岩場をアイゼンで歩くのは滑るので、本当に注意が必要です。
で、三ツ岳Ⅲ峰に到着。
振り返ると、先程までいた北横岳(南峰と北峰)。
南峰には人影がありましたが、北峰には誰も見当たりませんでした。まぁあんな風だと行く気無くすよね。
そして南側には縞枯山。そしてさらに奥の山頂にガスがかかっているのが天狗岳。夏に行ったなぁ、楽しかったな。
三ツ岳Ⅲ峰からⅠ峰まではこんな岩と雪道のミックスに風も直撃。この厳しい気象条件で、今回ブログ主は「ハードシェル」を着て来たので、ウェアの防風性は完璧。
廃盤予定らしくセール価格で買えました。
北横岳へ行った時、いわゆるハードシェルを試した。暴風に対する安心感は半端ないしベンチレーションがすごく便利なんだけれどそれをどう表現するか。来年の冬までの宿題かな。 pic.twitter.com/kd0XWPThy6
— たけめ まえかわ (@maekawamaekawa) March 3, 2018
タイミングを見ていずれレビューしたいと思います。
今まではモンベルのストームクルーザーをハードシェル的に使っていたのですがハードシェルは安心感の次元が違う。森林限界以下ではハードシェルはオーバースペックだけど、こういう環境へ行き始めたらハードシェルあった方が良いです。
ここから先の道は、岩の間が雪で埋まっているのですが、もし空洞を踏んでしまうとクレバスのように落ちてしまいそうな登山道になります。
踏み跡があっても念のため一歩一歩確認しながら歩いていくと、
三ツ岳Ⅱ峰。
とにかく踏み跡が風で吹き飛ばしてしまっている所が沢山あるので、岩のマーカーとかGPSは要チェックです。
そして三ツ岳Ⅰ峰に到着。
振り返って、左から北横岳、三ツ岳Ⅲ峰、Ⅱ峰。それにしても我ながら凄い所へ来たもんだ。
ここから雨池山まで一気に下ります。ここアイゼン効かなかったら怖いくらいの急な下り坂です。逆に言えば、アイゼン効くならとても膝に優しくて楽な下り坂(^^)
ということであっという間に鞍部に到着して、
雨池山までダラダラした上り坂が始まります。このダラダラな上り坂が地味ぃ〜にしんどくて、
結局このあたりが一番暑かった(^_^;)
展望も何もない雨池山を通過すると、
さっきまでクソ暑かったのに、風で踏み跡が吹き飛ばされるような道を進まなくてはならなかったり。
雪山登山では「汗をかかないような」ペースでの進行がとても大切なのを実感。
そして雨池山から雨池峠へは、再び急な下り坂。
踏み抜くとこんなことに((((;゚Д゚))))ガクブル
でもチビなブログ主はあまり心配しなくても良いみたい。ありがたや。
ということで、もうここから北八ヶ岳ロープウェイ山頂駅まではハイキング。
スタスタと歩いていると青い三角屋根が。
北横岳から見えたこの三角屋根は、縞枯山荘だったのね。
縞枯山荘は営業中だったようだけど、予定より早く着いてまだお昼前。
ということで、このまま山頂駅まで進むことに…
と思ったものの、もう一度坪庭だけは寄ってみる。
お昼近くになって、北横岳にも沢山の登山者が居るようで。
三ツ岳にも人影がチラホラ。
ということで12時前に北八ヶ岳ロープウェイの山頂駅に到着、休憩込みでも3時間ほどで戻ることができました。
そんなこんなで山麓駅へ無事に戻ってきました。残念ながらスノーモンスターには会えずで天候的にもイマイチだったけれど、ブログ主的にはウェアやグローブ、パンツの事など今後の改善点を見出す経験をすることができました。2月の標高2,000m超える環境を気軽にお試しあれ!とは言えないですが、ここ北八ヶ岳なら比較的安全に体験でき、そして楽しめると思います。
次回はぜひともスノーモンスターに会いたいなぁ…
【関連リンク】北八ヶ岳ロープウェイ