レビュー

モンベルのストームクルーザーを2年使った感想と、ウインドブレーカーとの使い分けの話。

モンベル ストームクルーザー
登山を始める時に揃えておくべき道具として、レインウェアは筆頭に挙げられる道具の1つだと思います。しかし定評のあるレインウェアの素材はGORE-TEXではあるのですが、初期投資の面で登山を始める時に打撃を喰らわせられる道具でもあります。

そんな中、コスパ良好な道具を揃えてくれているモンベルさん、ブログ主が登山を始めてしばらく後に買ったのがこのストームクルーザーでした。

そんなモンベルのストームクルーザーを2年ほど使ってきた感想と、ウインドブレーカーとしてはお役御免となった経緯をレビューしたいと思います。

ストームクルーザーはこんなにも優秀なレインウェア!

実際に使って日も経つので、汚れも多少目立ってしまっているブログ主のストームクルーザーですがお許しをm(_ _)m
モンベル ストームクルーザー GORE-TEX
ストームクルーザーは、GORE-TEXを使ったレインウェアというのが特徴。ブログ主が持っているのはC-ニットと呼ばれている世代のGORE-TEXで作られているストームクルーザーです。
※Gの字の左の黒い筋は何かの汚れなのですが、何度洗っても落ちてないだけです(T_T)

モンベル ストームクルーザー 裏地
この裏地が従来のよりも薄くても丈夫で、且つ軽量なのが特徴とのこと。確かにGORE-TEXの製品にある「ゴアゴア感」「パリパリ感」が以前のGORE-TEXほどはありません。

モンベル ストームクルーザー 止水ジッパー
ファスナーは”アクアテクトジッパー”と呼ばれる止水ファスナーになっていて、水は侵入しないです。

モンベル ストームクルーザー トライアクスルフード
フードの調整は、トライアクスルフードという仕組みになっていて、この首のコードと、

モンベル ストームクルーザー トライアクスルフード
後頭部のコードを調整し、雨がフード内へ吹き込まないように調整できます。風でバタバタ煽られるようなことも無くなり、風による冷えにも相当に防ぐことができます。

  モンベル ストームクルーザー
フードは大きめな作りのため、帽子は当然、ヘルメットやゴーグルまで着けても大丈夫。

モンベル ストームクルーザー アルパインカフ
袖は”アルパインカフ”と呼ばれる製法で、エラスティックテープ(ゴム紐的な)の伸縮性にプラスして、ベルクロで調整できます。

ストームクルーザーは透湿性を”体感できる”性能がある

モンベル ストームクルーザー
ちょっと極端ですが、蛇口からこんな水をかけても、

モンベル ストームクルーザー
こんなに水を弾いてくれます。この「撥水性」が「透湿性」に大きな役割を果たします。
※肩や腰などベルトで擦れる場所の撥水はすぐに無くなってしまいますが、これも乾燥機やアイロンがけで復活するので長く使えます。

結露
夏は当然ですが、真冬でも登山中にレインウェアを着ると相当に暑いです!

汗をかくと「透湿性」の無いウェア(例えばビニールカッパ)では、ウェア内側が結露しベトベトになることが多々あります。上記の写真のようにウェアの内側に水滴が発生してしまうのですが、ストームクルーザーではそういった経験は全くしていません。

この「ウェアの内側が結露しにくい」という性能が「透湿性」であり、体から出た汗(水分)を外側へ排出しているのだと想像します。

冬では簡易なハードシェル替わりに着用。

モンベル ストームクルーザー シェル
ブログ主の場合、ストームクルーザーは雨よりも冬季の登山でハードシェルのような使い方をしてる経験の方が多いです。

高見山 平野登山道 霧氷
体から出た汗は水蒸気となってウェア内へ発散するのですが、冬季は外気温が低いため、ウェアの内部がより結露しやすいわけです。にも関わらず結露の経験が無いというのは(湿度や汗をかく量の差もあるとは言え)透湿性能の高さを表していると思います。

そんなGORE-TEX採用のレインウェアの中では、モンベルのストームクルーザーはお値段が比較的お安い商品。実際にブログ主はGORE-TEXの性能を体感できていると思うので、このストームクルーザーはおすすめです!

性能的にはウインドブレーカーとしても使える。だけど…

ところでレインウェアは、その性能の必要要件として、

  • 耐水性(≒防風性)
  • 透湿性
  • 耐久性

があるのですが、これらはウインドブレーカーとしての要件も満たしてはいるんです。特に耐水性はレインウェアが圧勝です。

仙丈ヶ岳 小仙丈ルート
実際、先日の仙丈ヶ岳の登山でもモンベルのストームクルーザーをウインドブレーカーとして着られている人がチラホラいらっしゃいました。

だったらレインウェアがそれだけ性能が良いならウインドブレーカーなんて不要じゃん!ということになりますよね、ブログ主もそう思っていました。

レインウェアの気になる所

でもレインウェアを行動着として使うには、ブログ主的には欠点が気になるようになってきたんです。

  1. とにかく暑い!

    どうしても”暑い”です。もうこれはどうしようもないかもです。いつかの山遭難事故のように低体温症になるよりはマシという感じで我慢ですかね…

  2. 生地がうるさい。

    ブログ主のC-ニットという製法のGORE-TEXでは相当にマシになったのですが、それでも「ガザガザ」「パリパリ」といった感じがまだまだあります。

  3. 着心地が悪い。

    GORE-TEXとそれと組み合わせる素材の性質上、伸縮性があまり(というかほとんど)無いので着心地は良くないです。ストームクルーザーも立体裁断にしたりと、各社とも工夫はしているのですが、素材の特性上、これ以上はなかなか難しいのでしょう。

ウインドブレーカーのメリットは手軽さ!

そんなレインウェアの気になる点を補うようなのがウィンドブレーカーでした。登山用を謳うウインドブレーカーの特徴は、

  1. 軽くてコンパクトに畳める!

    モンベルの「EXライトウインドパーカ」なんて45gしかありません。内側が透けちゃうぐらいのウインドブレーカーですが、山で着てる人は多い印象です。

    畳んだら手のひらサイズに収まるのですごいです。
  2. 防風性は高い!

    ウインドブレーカーの名前の通り防風性は高いので、風冷えから体を守ってくれます。

  3. 撥水性もある!

    ちょっとした程度の雨なら、レインウェアを着ずともウインドブレーカーでやり過ごすことができます。

  4. 生地が柔らかくて動きやすい。

    伸縮性の高い素材を使った商品が多数あり、着心地がとても良いウインドブレーカーもたくさん商品化されています。

  5. GORE-TEXのレインウェアより安価

    およその商品は、GORE-TEXのレインウェアよりも安価です。これ重要です。

これらウインドブレーカーの特徴は、晴天から少々の雨程度の登山なら使えてしまう汎用性の高さ手軽さがあります。特にブログ主が値段に文句言いながら買ったファイントラックのニュウモラップフーディー。
ファイントラック ニュウモラップフーディー
真夏の低山では着ないまでも必ず持って行きます。真に1年中使うウェアになりました。
モデルチェンジしてしまいましたけどね(T_T)

まとめ:まずはレインウェアを入手。気になったらウィンドブレーカーを。

GORE-TEXレインウェアの中ではモンベルのストームクルーザーはコスパ抜群!持っていて損はありません。ただ1年中使えるほどの手軽さ・汎用性はウィンドブレーカーに分があると思います。

ということで登山を始めるなら、

  • 先に(耐水・透湿性の素材の)レインウェアを購入。
  • 気になりだしたらウインドブレーカーを追加。

という順番で入手するのがおすすめです。

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