岐阜県の恵那市には、大井ダムという日本最初の大型水力発電所があります。近代化産業遺産にも登録されている大井ダムは、大正時代に急流な木曽川を堰き止め、様々な困難を克服して完成しました。発電した電気は今でも関西まで送電しているそうです。
プチ土木ファンのブログ主は、そんな日本最初の大型水力発電所について関西電力の職員さんから説明を直接聞けるということで、今回初めてJR東海さわやかウォーキングに参加したのでした。その時の様子をチラッとご紹介。
JR東海さわやかウォーキングについて。
今回初めて参加したJR東海さわやかウォーキングは、
- 駅がスタート&ゴール(だいたい)
- ほぼ無料
- ほぼほぼ予約不要
で、毎週末に開催されています。コース沿線の有料施設の割引があったりと、ほんと気軽に参加できるのがいいですね♪
長めの距離を歩くことも。
コースの設定によっては、10km以上のコースもしばしばあるようです。いい運動になること請け合いですが、しっかりした準備もした方が良いです。
装備は低山登山くらいの装備でちょうど良いかも。
今回参加したさわやかウォーキングは約10km。その中には舗装路だけでなく、未舗装路や山道もありました。なので、
- 最低でもウォーキングシューズ、できればトレランシューズ。
- 綿じゃない服やスボンなどの衣服類。
- 帽子
- 汗ふきタオル
- 雨具、レインウェア(ウインドブレーカー)
特に参加した当日は天気も良くて暑いくらいの日だったので、低山登山と同じくらいの装備は揃えた方が良いと思いました。
おはようございます。朝の名古屋駅です。
恵那駅までは1時間ほどでしたが、今回は少しだけ奮発して特急しなので恵那駅まで向かいます。
渡り板に萌える...
特急しなのは中央線を爆走。
あっという間に恵那駅に到着。普段、特急は停車しない恵那駅なのですが、この日はさわやかウォーキングのため特別停車です。
駅にはさわやかウォーキングの人がいて、パンフレットをもらってさっそく出発です。
そうか、恵那駅は明知鉄道の出発駅でもあるんだ。
コース図の通り進んでいきます。阿木川沿いから笠置山が目の前に。
河原には綺麗なお花がいっぱい、なのですが...
この子はトキワツユクサ。外来種で「我が国の生態系等に被害を及ぼすおそれのある外来種リスト」にリストアップされているそうです。
スミレの一種っぽいけど、トキワツユクサの色違い、ムラサキツユクサかも。
これは確実にムラサキツユクサ。このムラサキツユクサは「我が国の生態系等に被害を及ぼすおそれのある外来種リスト」には載っていない。
この黄色いのはオオキンケイギク。
河川敷にいっぱい咲いてますが、これも特定外来生物で規制対象になっているそうです。あらら...
ワンワン!
へぇ、恵那には天然温泉が湧くのか。
ルートは恵那峡ロードに入っていきます。
春なのに色づいてる。もしかして枯れてるのか?
沢山の人が参加しているさわやかウォーキング、阿木川の右岸をテクテク。
そして新緑の林を抜けて行き、
その先には、恵那峡大橋を覗ける場所があったり。
当たり前だけど人間がせき止めたダム湖の水なんですよね、すごい所の水をせき止めたんだなぁ。
と、ここで大井ダムに行く前に、まずは寄り道オプションの恵那峡めぐりの遊覧船へ。
恵那峡の遊覧船は30分ほどの船旅。
恵那峡の名前は、大井ダムが完成する前の大正9年に志賀重昂氏によって名づけられたんだとか。
下船後、山菜そばで腹ごしらえして、
そして再びダム湖沿いを下りってくと、
大井ダムに到着。
個人的にこのツアーの一番の目的である、
関西電力のお兄さまから、大井ダムについての説明を伺います。
大井ダムの堰堤の高さは53.4m、17〜18階建てのビルの高さでしょうか。長さは276mあります。
景色が大きいから距離感もイマイチだけど、普通に18階建てのマンションとかビルって大きいですよね。
この大井ダムの建設は、福沢桃介が陣頭指揮を採ります。資材は今日のスタート地点である恵那駅(当時は大井駅)からここまで線路を引き運搬していたそうです。
大井ダムの工事は大正10年に着工、3年の歳月と総工費はおよそ2000万円をかけて日本初のダム式の水力発電所が建設されました。この2000万円の価値ですが、当時のお米の価格をもとに換算すると総工費約560億円もの一大プロジェクトだったとの事です。この写真は建設当時の貴重な工事の様子を見ることができます。
建設中に関東大震災が発災し、不足した資金を海外から調達(海外からの資金調達はこの事業が日本で初めてだそうです)したり、そして木曽川の洪水なども度々起きてしまい殉職者も出てしまったとの事。
訪れたこの時の大井ダムは92歳(大井ダム竣工は1924年大正13年)、現在の姿の大井ダムは昭和58年に新大井発電所が建設されて今の姿になったそうです。補修もされてるのは間違いないですが、それにしても100年近くの建造物とは驚きです。
そんな大井ダムから取水した水は、この巨大な導水管を通って発電機を回します。
最大出力52,000キロワット/日、年間発電量約180,000,000キロワット。これを主に関西へ送電しているそうです。この数字は、約5万世帯の電力を賄えるそうです。
そして平成19年に近代化産業遺産に登録されたということでした。
関西電力の職員さん、ジョークも交えた楽しいお話ありがとうございました。
さぁ、恵那駅に戻りましょう。向こうに見える東雲(しののめ)大橋を通って戻っていきます。ちなみに手前に見える小さな橋は東雲橋。
東雲橋の麓、大井発電所の横にある山道を登って行きます。
この東雲大橋は2015年の8月に開通したばかりの349mの大きな橋で、
高さが69m!風も強くてスゲー怖い(*_*
それにしても大井ダムが出来る前の木曽川は、こんなにも深い谷を流れる川だったんだな。
そんな深い谷の狭まくて丈夫なところを堰き止めた大井ダムと、遠くには恵那山が。というかこの日、恵那山は恵那市に無いことを初めて知りました(+_+)(恵那山は岐阜県中津川市と長野県阿智村にまたがる)
というわけで恵那駅に戻ってきました。
近代化産業遺産の大井ダムの説明を職員さんから直接聞けて大満足だったJRさわやかウォーキング。でも当日はとても暑い日で歩く距離よりも暑さで普段の登山よりもずっと疲れました。
もっとしっかり準備して参加するべきでした(^_^;)
毎週末に行われているJR東海さわやかウォーキング、興味湧くコースがあったらまた参加させてもらお♪