基本的に名古屋近郊の近場へお出かけしているブログ主は、最近の登山で使う靴はほぼトレイルランニングシューズ(以下、トレランシューズ)を利用しています。それは靴が軽くて登山がとっても快適だから。そんなトレランシューズを使ってほぼ1年、トレランシューズを使うメリット・デメリットが分かってきました。上手に使い分ければ快適な登山ができるかも、と思いましたので経験をシェアしたいと思います。
ケチケチ根性から買ってみたトレランシューズ
そもそもトレランシューズで試してみようと思ったきっかけは、持っているグランドキングのGK80の消耗がもったいないから(^_^;)GK80はお値段だけあってとっても良い靴でして、コレを履いて奥穂高岳や八ヶ岳、冬の御在所岳とか色々な山に登りました。

キャラバン グランドキング GK80

テクニカ SPECTRUM XLITE
で、やっぱりお高いGK80を延命させるべく近場の登山で使える靴として購入したのが、トレランシューズでテクニカのSPECTRUM XLITE。当時ですでに型落ちで5,000円くらいで購入することができました。
車も人も、車輪や靴が軽いほうが有利
自動車には、バネ下重量という概念があります。サスペンションより下にぶら下がる部品は軽いほうが有利で、乗り心地や燃費などに大きく影響します。人間だってそれは同じで(極端な例ですが)10kgを背負って山歩きするのと、5kgずつの重りを左右の靴に付けて歩くのと、どちらが楽かは容易に理解できると思います。
メリット・デメリットをまとめてみた

サロモン XA PRO 3D GTX 表銀座をテン泊装備で使いました。
軽いほうが有利なのは間違いないのですが、今でも重たいトレッキングシューズが売れているのには、それにもメリットがあるから。ということで、メリット・デメリットをまとめてみました。
トレランシューズのメリット
- 軽い!
何と言ってもコレが最大のメリット!足の負担を激減させます。トレランシューズを履いて登山したら即実感できると思います。 - 値段も安め。
トレランシューズもそこそこしますが、およその登山靴ほど高額ではありません。 - 意外とグリップする。
乾いた登山道は当然ですが、濡れた登山道(岩場やザレ場など様々な状況)でも、登山靴とくらべてグリップに困ったという経験は今のところないです。 - 濡れてもすぐ乾く。(←ゴアテックス付のシューズは除外)
テクニカの方は、足の甲がメッシュになっています。なので水は染みますが、晴れていればあっという間に乾きますし靴下までけっこう乾きます。
ただし、サロモンのXA PRO 3D GTXはゴアテックスなので、水が染みない替わりに濡れたらテクニカほどすぐには乾きません。 - 脱ぎやすい。
ゴミが入った時は当然ですが、休憩の時に靴を脱いでくつろげます。けっこう有り難いですよコレ。
デメリット
- 雨には弱い。
サロモンXA PRO 3D GTXのゴアテックスのトレランシューズでも、足首から簡単に雨は侵入します。ただスパッツ(ゲイター)付ければ解決かもです。 - つま先の保護が弱いかも。
アッパーは登山靴と比べようがないくらい柔いので、岩を蹴った時に足の爪がやられやすいかも。でも今のところ足指を怪我する等の経験はありません。
登山靴のメリット
- 防水がしっかりしている。
登山靴の最大のメリットはこれだと思います。ゴアテックスで防水されている商品が多く、ハイカットの登山靴ならくるぶし程度の水だったらへっちゃらです。 - 靴の中に小石などが入りにくい。
確かに入りにくいです。でもゴミが入っちゃったらトレランシューズの方が気楽に脱げます。 - 雪山でも足が温かい。
安い登山靴では暖かさは感じにくいかもしれませんが、とりあえずトレランシューズで雪山を登ることは無いでしょう... - つま先だけでよじ登る所では安定して登りやすい。
ソールが固いシューズでは、つま先だけ岩などにひっかけて登る必要になった時は、固い方が少ない力でよじ登る事ができます。
ただこんなシビアな状況って、余程のコースじゃないとないんですよね...
デメリット
- 重い。
最大のデメリットじゃないでしょうか。21世紀なんだからゴツくても軽い登山靴って作れないのでしょうか? - お値段が高い。
有名な海外メーカー製だったりすると、ほんと高いんですよね。とても買えないです。
メリットとデメリットをまとめ。
◎-優秀 ○-良 △-ビミョー ×-劣勢
登山靴 | トレランシューズ | 感想など | |
重量 | × | ◎ | トレランシューズの最大のメリット!靴が軽いと疲れ方がぜんぜん違います!! |
防水性 | ◎ | △ | ゴアテックスのトレランシューズもあります。 |
対雨性 | ○ | × | ゴアテックスのトレランシューズでも、足首から雨は侵入します。 |
乾きやすさ | × | ○ | 非ゴアテックス製のトレランシューズはホントすぐ乾きます。 |
防寒性 | ◎ | × | 雪山でトレランシューズの人は見たことないです。試したくもないです(^_^;) |
捻挫のしやすさ | △ | △ | 登山靴をはいてて足首をグネった経験ありますし、逆にトレランシューズだからグネりやすいという経験もありません。正直これは意外でした。 |
足の保護 | △ | △ | 害虫に対する保護性能の差はありそうですが、それは服装の差が大きい気がします。 |
グリップ力 | ○ | △ | トレランシューズの方が滑りにくいかもという経験はあります。ただこれは靴そのものの性能差は要考慮。 |
足裏の感覚 | × | ◎ | 足の裏で路面の状況が把握できるのは大きなメリットじゃないでしょうか。 |
脱ぎ履き | × | ○ | 靴の中にゴミが入った時や休憩中に気軽に脱げます。 |
価格 | △ | ○ | トレランシューズの方が安いです、まぁピンキリですが... |
結論:万能な靴はない、場所によって使い分け。
トレランシューズと登山靴を試して今は結局3足の靴を使い分けています。結局お金かかっちゃったけど、キャラバンのGK80とテクニカとでは5倍くらい価格が違うので、これの差が実感できただけでもまぁ良かったかな?
事前に水濡れしないとわかる時はテクニカ
足の甲がメッシュ地のテクニカは、本当に軽くて快適です。水に濡れない事がわかっている山行ならこのトレランシューズで出かけています。ちょっとくらい濡れてもすぐ乾くこのテクニカ、テント泊でも距離が短い&雨は降らないと分かっていた白山登山でもこれで登りました。
今のモデルはQUICKLACE(クイックレース)という細い紐で締めるので使いやすいです。
値段もお得で、使用頻度が一番高いのがこのテクニカのトレランシューズです。
重い装備で長距離歩くならサロモンXA PRO 3D GTX
このサロモンのトレランシューズで、テント装備を背負って先日の常念山脈・表銀座を縦走してきました。テクニカよりもソールが硬めで、特に岩場では足の裏の負担もテクニカよりやさしいです。ゴアテックスも搭載されているので、常念岳の一ノ沢登山道の出水にも足が濡れることはありませんでした。
そしてサロモンの靴紐は、QUICKLACE(クイックレース)。これは本当に便利!
テント泊、森林限界を超える登山、雪山はキャラバンGK80
清水の舞台から飛び降りる覚悟で買ったGK80は、今はテント泊の重い荷物の時や森林限界を超える岩場の山歩き、冬の登山で使っています。雪の冷えは伝わってこず、安定感はやっぱりお値段の事だけはあります。
ということで長々となってしまいましたが、
「登山にトレランシューズは十分使える!」
と断言したいと思います。