前の記事、京都御所の一般公開 富士山の世界遺産登録記念”墨絵山水(富士山)岸駒”を見てきましたの続きです。
京都御所の一般公開を見に行った後、紅葉も愛でるのもまだ少し早いしどこ行こうかなぁっと考えていたら、先日NHKで琵琶湖疏水の事をやっていたのを思い出しました。学生時代の春に単車でトコトコと廻った時以来行ってないし…
というわけで超久しぶりの琵琶湖疏水、インクラインと水路閣をぶらりお散歩というこで。
その様子をちらっとご紹介。
今日のルートは、蹴上駅前の”ねじりまんぽ”から南禅寺、水路閣、そして蹴上インクライン
この日のルートは、
蹴上駅(地下鉄東西線) →ねじりまんぽ →南禅寺 →水路閣 →蹴上発電所 →蹴上インクライン
というルートで歩きました。下記にも記載していますが、これなら蹴上インクラインの坂を下るコースとなって、比較的ラクに歩くことが出来ると思いますよ。参考にして下さい。
地下鉄東西線の蹴上駅から南禅寺の水路閣と蹴上インクラインのお散歩開始!
京都御所の最寄り駅である京都市営地下鉄の今出川駅から30分、今回の目的、南禅寺の水路閣と蹴上インクラインの最寄り駅の蹴上駅に到着しました。
今回は歩き疲れたのでインクラインの坂を下りたい。なので先に南禅寺の水路閣へ向かいます。つまり蹴上駅前の蹴上トンネルからスタート。赤レンガのアーチがノスタルジックですね。
ねじりまんぽと呼ばれるこのトンネルの造りは、この上を運搬船に乗せられた船が行き来する蹴上インクラインが通っているのですが、その重みに耐えられるようにレンガを直線的に組まずに、螺旋状にねじれたように組んで作られてます。どうやって組み上げたんだろう…?
よ~く見たら両サイドにもアーチが作られていますね。
トンネルを抜けたこの辺りのカエデは意外と紅葉が進んでいました。この辺りは来週ぐらいが見頃かも。
と、早々に南禅寺に到着しました。
やっぱり紅葉は日が入ると綺麗ですね…
南禅寺の三門は重要文化財です。
そして南禅寺の法堂。豊臣秀頼により大改築された法堂ですが、明治の26年に一度消失してしまったのだとか。焼失とかモッタイナイなぁ。
こちらも紅葉が綺麗♪
まずはお参りさせて頂きました。きれいな境内をいつまでもよろしくお願い致します。お線香の香りがいい香りです。
それでは水路閣へ向かいます。看板通りに名勝庭園へ向かえば、
おぉ!相変わらずの風格、水路閣です。久しぶり!
おなじみの撮影ポイント。さすが絵になりますね。
琵琶湖疏水は、琵琶湖の水を京都まで引くために作られた水路。当時の西洋の技術を導入しつつも設計施工を日本人のみで行ったとのこと。すごいなぁ、レンガ造りが美しいし。
インクラインの反対側、下流側に行ってみましょう。
これが水路閣の下流の端。こちらは暗渠になっていました。この先は哲学の道につながっているそうです、銀閣寺とかの方面でしょうか。
それでは上流側、蹴上インクライン方面へ向かいましょう。
先ほどの石の階段を登ったところから、暗渠側の写真。結構な水量です。おっ?
サギくんが狙っている?獲物がいるのでしょうか?魚も流れてくるのかな?
さ、蹴上インクラインへ向かいましょう。西日が入ってきました。
琵琶湖疏水に沿って石垣が続きます。この時代になると石垣もしっかりカットされた石材で組まれてます。今までの地震にも耐えたこの石垣、素晴らしいわ。
途中、南禅寺のお庭(?)南陽院方面の紅葉が見えました。ここから見ると紅葉が結構進んでいました。
そして蹴上発電所にやってきました。河川をせき止めての水力発電とかならよくある発電所ですが、用水の流れを利用した発電所というのはイメージにないですね。
その脇には疎水の分岐点。先ほどの水路閣へ向かう水路と、この暗渠になっている水路に分岐します。この暗渠の先はどこにつながっているのか… 方向的には山科の方向ですかね。
発電所のタービンにつながる(であろう)送水管。間近で見てみたい大きさ…
豊富な水量の琵琶湖疏水。ほとんどは先ほどの導水管へ送られて発電に利用されるのですが、あふれた分を水路閣の方へ送っている様です。
この導水管は1.65mもの太さがあり、8kmもの先にある山ノ内浄水場まで送られるそうです。またこの琵琶湖疎水は、蹴上、松ヶ崎、新山科浄水場にも送られているそうです。まさに京都市民の生活の要でもある琵琶湖疏水。
そして蹴上インクライン!
この運搬船の上に船を載せて、山を登ったり下ったりのインクライン。その復元された運搬船がこれ。背後に見える蹴上船溜から船を台車に乗せて山を超えるというダイナミックな発想もすごい。
当時船が山を登るという光景は観光名所になったとのことですが、そりゃそうでしょう。私も見てみたい!
その奥には巻上機の実物。ワイヤーを巻上機で引き上げたりして船を行き来させていたとのこです。
サギくん、この船溜にも獲物がいるのか?
蹴上駅前の仁王門通沿いにある蹴上インクラインの線路。桜の季節はきれいですよね、ここ。
蹴上インクラインからは先ほどの導水管が見えたり、
蹴上駅が見えたり。
この辺りは蹴上インクラインの複線部分がよくわかります。
インクラインとしては使われなくなったこの線路。でも事実この線路上を船が山を超えて行き来していたわけですよね、実物を見てみたいなぁ。
今回のゴール、蹴上インクラインの下側にある船だまりである”南禅寺船溜”に到着しました。中央の噴水は疎水の高低差の水圧だけを利用した噴水なんだそうです。
京都への船の運搬、発電、水道水の供給などの多目的用途で、100年以上前に作られたこの琵琶湖疏水。21世紀になった今でも豊富な水量で京都の生活を支えるインフラの一つとして機能し続けている事を、設計施工を担当した田辺朔郎は想像していたでしょうか。
そんな気軽に明治時代の近代産業遺産を楽しめる、琵琶湖疏水のぶらり散歩でした。
【参考リンク】京都岡崎コンシェルジュ モデルコース